【Bontrager Aeolus Pro 51 TLR Disc カーボンホイール インプレッション】
2020−2021シーズンにかけてフルモデルチェンジを行ったボントレガーのカーボンホイール、”Aeolus(アイオロス)”シリーズ。
ハイエンドのRSLシリーズとセカンドグレードのProシリーズについては、三次元解析によって完全に新設計とされたリム形状を採用。ハブやスポークも含めたさらなる空気抵抗の低減と横風への耐性を獲得しました。
今回はセカンドグレードのProシリーズから、51mmハイトのディープリムを採用する「Aeolus Pro 51 TLR Disc」のインプレッションをお届けします。
関連:エントリーグレードの「Aeolus Elite 50 TLR Disc」インプレッションはこちら
<ライダーの情報 (いずれも執筆当時)>
BEX ISOYA成城テックマネージャー
田中 敏樹
性別:男性
年齢:31歳
身長:172cm
体重:57㎏
FTP:約270W
いわゆるクライマー体形で、Mt.富士ヒルクライムにほぼ毎年参加しておりベストタイムは64分台です。
使用するバイクはTREK EMONDA SLR Disc 2022年モデルです。
【取り付け】
Aeolus Pro 51 TLR DISCは、外幅31mm、内幅23mmの超ワイドリム。内幅19㎜のAeolus Eliteと比べてみると明らかに太くなっています。
マウンテンバイク用のホイール並に幅の太いリムは、タイヤの横剛性を高めると共にタイヤとリム全体での空力最適化が図られています。
このリム幅・リム形状はリムブレーキでは実現し難く、ディスクブレーキ専用設計の賜物と言えるでしょう。この形状が性能にどのような違いをもたらすのか、今から楽しみです。
700x28Cのタイヤ(Bontrager R3 TLR)を取り付けたところ実測幅は約29mm。リム幅拡大の影響で最小タイヤ幅は25mmとなっており、このホイールが新世代の設計だということを強く感じます。
最近のタイヤは広いリム幅に合わせた設計のものが多いですが、ものによっては表記サイズよりもかなり膨らむ可能性があるのでクリアランスの少ないフレームの場合は注意が必要かもしれません。
ちなみに現行のEmonda SLR DISCに関しては元々30mm幅のタイヤまで対応しているため全く問題ありませんでした。
ハブはDT Swiss 350シリーズがベースとなっており、伝達効率とメンテナンス性に優れたスターラチェットシステムを採用。スポークもより高い張力に耐えるストレートプル仕様です。
51mmのリムハイト、マットブラックのリムにグロスブラックのデカール・・・と、遠目からでは先日インプレッションをお届けしたAeolus Elite 50 TLR Disc(以下Elite 50)とあまり違いがありませんが、果たして走りはどうでしょうか。
【ファーストインプレッション】
Elite 50からホイールを付け替えて、走り出した瞬間の印象は「軽い!」でした。
前後セットで1590g(カタログ値)と絶対的にはそこまで軽さを求めたホイールではないですが、それでもElite 50と比べればリム重量はかなり軽くなっているはずです。全体の剛性も上がっているようで、発進・加速時の反応はとてもよく感じました。
川沿いをしばらく走ってみて気が付いたのは、リムハイトの高さの割に横風の影響が非常に少ないことです。常時風速5m/s、時々10m/s近い突風も吹くような環境で様々な速度域で走ってみたのですが、Elite 50(こちらも決して横風に弱い方ではありませんでした)と比較しても足元をすくわれるような挙動が大幅に少なくなっています。走行ラインが安定することで強風時でも安心感があります。
ハブのラチェット音はとても静かで、空走時の抵抗も少ないように感じます。抵抗に関しては気のせいかもしれませんが、何にせよ回転がスムーズなのは気分がいいものです。
ラチェット数は18Tと標準的ですが、アップグレードキットで36Tや54Tなど、より素早くラチェットが掛かる仕様にカスタムすることもできます。クリテリウムやシクロクロスなど、漕ぎ出しのレスポンスを求める用途にお勧めです。
【セカンドインプレッション:山岳】
Pro 51の実力を試すべく、今回も山岳を含むロングライドに出かけてみました。
結論から言えば、スペックからの予想通りElite 50よりも軽量なため、登りでもずいぶん軽く登れるように感じました。ヒルクライムレースで使うか?と言われればより軽量な浅いリムを選ぶと思いますが、ツールドおきなわや富士チャレンジなどのハイスピードかつアップダウンが続くレースでは強い武器になると思います。
エアロ効果は言わずもがなで、平坦で全力スプリントをした時のスピードの伸びはさすがディープリムといった感じです。
また、横風への強さもライドの後半に疲れてきた際には大きなメリットを感じました。操舵に神経を使わない分、路面状況や周囲の交通状況により注意を払えますし、場合によっては綺麗な風景を眺める余裕も増えてくるでしょう。
これまでは走るコースに加えて風の強さもリムハイト選びに影響を与える要素でしたが、これだけ横風に強いリム形状が普及していけば、純粋に重量とエアロ効果の対比のみでホイールを選ぶことができるようになるかもしれません。
リムの太さからくるタイヤ内エアボリュームの大きさ・タイヤのヨレにくさのおかげで空気圧もElite 50よりもさらに下げることができ、衝撃や振動から来る疲労感も軽減されているように感じます。具体的な空気圧についてはタイヤの許容空気圧との兼ね合いもあるため難しいところですが、私はSRAMが公開しているタイヤ空気圧ガイド(https://axs.sram.com/guides/tire/pressure)を参考にしています。
【まとめ】
最上位グレード RSL 譲りの高性能を比較的リーズナブルに(税込 202,400円、22年4月現在)提供するAeolus Pro 51 TLR Disc。
高速域でのエアロ効果と登りが苦にならない軽さを両立するのはもちろん、素晴らしい横風耐性のおかげであらゆる状況で躊躇わず使用できるディープリムホイールです。
内幅23mmのワイドリムは太め・低圧のタイヤとの相性が抜群で、その速さと乗り心地のバランスはレーサーだけでなくあらゆる層のライダーに大きなメリットを与えてくれると思います。
今までディープリムに抵抗があって履いたことが無かったという方にこそ是非使って頂きたいホイールです。このホイールについても試乗ホイールとして成城店に設置しますので、まずはお試し頂いていつものコースで試してみて下さい。
期待を裏切らない性能だと思いますよ!
もちろんこのホイールも、ご購入から2年以内に走行中に破損させてしまった場合、無償修理・交換が受けられる「ボントレガーカーボンケア・ホイールプログラム」対象製品です。
日常のライドからツーリング、もちろんレースまで、遠慮せずとことん使ってください!
BEX ISOYA × BONTRAGER製品は ご購入後の保証も充実!!
「BEX ホイールサポートのご案内」
BEX ISOYAではお得なホイールサポートプログラムをご提供しています。ホイールお買上げ時の組み替え工賃のサービスや充実のアフターサポートなどご用意しております。
「BONTRAGER カーボンケア・ホイールプログラム」
ボントレガーのカーボンホイールは、ご購入から2年以内に走行中に破損させてしまった場合無償修理・交換がされる「カーボンケア・ホイールプログラム」対象製品です。 日々のライドを安心して楽しめるよう、性能とアフターケアの両面であなたをサポートします!
「BONTRAGER 30日満足保証」
ボントレガーブランドの素晴らしいところは、常にお客様目線であること。もしイメージしていたものと異なる場合、30日以内であれば交換できる保証が付いてきます。